白浜中央海岸は砂浜の奥行きはそれほどないが、
長さは約1キロあり、そこに2ヶ所の海難救助隊が
3メートルの高さから見守っている。
海に向かって右側の一つは下田プリンスホテルの前、
左側が私どものところで、そこまで歩いて3~4分。
中央海岸ではここが主たる海水浴場であるが、
三方が石、岩に囲まれていて泳ぐのに安全。
海に向かって右側にカブ根(別称神舟、白浜神社の
神が舟に乗ってこの岩に辿り着いたと伝説のある
自然岩)が100メートルほど突き出し、左側は石を
積んで造った堤防。海面から高さ2~3メートルあり、
沖合いにも防波の役を課す岩を積んで造った防波堤
があり、海岸から120~130メートルの沖合いに位置
している。
要するに間口約150メートル、沖に120~130メートル、
沖の石積みは短くなっていてそこから潮が流れ込んでくる。
80過ぎの老人から聞いたのだが、これはこの地区の
漁港だったそうだ。海が荒れてくると沖合いの堤のわき、
潮の流れ込んでくるところを通って帰ってきていたそうだ。
しかし、潮の勢いが強くなっているので時々舟が転覆した
そうだ。
心配して見ていて、漁師が無事なのがわかると心の中で
アハハと笑ったそうだ。子供のころの思い出として話してくれた。
この堤はたぶん昭和10年代に造られたものと思うが、
昭和32年に富士、箱根国立公園に伊豆半島が加わり、
「富士、箱根、伊豆」となり、同時に国道建設が活発となって
中央海岸の港が撤去され海水浴場となったのだろう。(続く)